令和5年度施政方針

更新日:2023年02月24日

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令和5年度施政方針の全文を掲載しています。

はじめに

令和5年度当初予算案

主要事業の説明

むすび

 

はじめに

昨年4月24日に実施されました町長選挙におきまして、多くの町民の皆様から御信任を賜り、町長2期目として、引き続き、町政を担うこととなりました。再選から、はや9か月が経過し、時の流れの早さを痛感するとともに、その課せられた使命と職責の重さに、身の引き締まる思いであります。

令和4年度は、4月の町長選挙の執行に伴い、経常的な経費を中心とした、いわゆる「骨格予算」によってスタートさせ、選挙後は、町民の皆様により充実した行政サービスを提供するため、政策的事業を中心とした「肉付け予算」として速やかに補正予算を編成し、実質的な令和4年度予算といたしました。

町民の皆様とお約束した取組につきましても、機を逸しないよう少しでも早く、皆様にお届けしたいという想いから、スピード感を持って事業の実現に努めてまいりました。御協力いただきました関係者の皆様並びに議員各位の御理解、御協力、御鞭撻があったからこそ実現できたものと存じます。この場をお借りして心から感謝を申し上げます。

さて、令和2年から世界中で猛威を振るい始めた新型コロナウイルス感染症は、今、転換期を迎えようとしておりますが、未だその勢いは衰えることなく、一進一退の状況を繰り返しております。私が町長に就任して以来、この未知のウイルスによる社会経済への影響や生命の危機と向き合い、町民の皆様の健康と暮らしを第一に考え、迅速かつ、きめ細かい施策を実施してまいりました。

令和4年度においては、7月から、お一人当たり5,000円の商品券「みんながお得TOGOエールチケット」を全ての町民の皆様に配布し、町民の皆様の生活を応援するとともに、幅広い消費を喚起し町内経済の活性化を図ってまいりました。町内事業者の皆様からは、お喜びの声をいただいており、経済回復の一助を担えたことと存じます。

また、8月に愛知県下全域に発令された「BA5 対策強化宣言」を受け、「東郷町民納涼まつり」を始めとする、いくつかのイベントを中止・縮小いたしました。一方で、久しぶりに開催することができたイベントもあり、その一つである「東郷町文化産業まつり」は、3年ぶりの開催となりました。イベントを待ち望んでいた皆様が、安心して参加し、楽しんでいただけるように、LINEを活用した来場者の受付体制を整備し、感染症対策を徹底した上で実施させていただきました。

マスク越しではありましたけれども、来場者の皆様の笑顔を拝見することができ、私自身、感慨深いものがありました。これからも、町民の皆様の笑顔を守ることに全力を尽くしてまいります。

こうした中、令和4年度は、令和3年度からスタートいたしました「第6次東郷町総合計画」の将来都市像を実現するため、コロナ関連の施策と並行し、特に「保育・教育環境の充実」「健康づくり」「快適で安心なまちづくり」の3つの取組に力を注ぎました。

1つ目の「保育・教育環境の充実」では、老朽化した和合保育園を民営化して「認定こども園」を整備する事業に対し、令和3年度に引き続き支援を行うとともに周辺道路の改良等を進めてまいりました。令和5年4月には「太陽わごうこども園」として開園を予定しており、幼児教育及び保育を一体的に提供できる施設として、本町の子育て施策における重要な役割を担っていただけることと期待しております。

また、小学校における水泳授業を民間スイミングスクールに委託することで、プールの老朽化対策のみならず、より安全で快適な授業を実施することができ、指導教員の負担軽減にもつなげてまいりました。

2つ目の「健康づくり」では、人生の節目でもある15歳・18歳を迎える子どもたちが、安心して新たな春を迎えられるよう「インフルエンザ予防接種の自己負担金の全額助成」を開始いたしました。

また、高齢者の皆様が、子どもたちのように楽しく学び、給食を食べられる場所を提供する「とうごう学び舎」を、高嶺小学校、音貝小学校でプレ開校いたしました。参加された方からは、「皆さんと一緒においしい給食を食べることができ、本当に楽しかった。」、「すごく楽しかった。こういうのもいいよね。」といったお喜びの声を多くいただいております。令和5年度からは、町内の全ての小学校区で開校を予定しておりますので、懐かしい学校において様々な体験や東郷町こだわりの給食を食べていただき、より健康で充実した日々を送っていただきたいと思います。

3つ目の「快適で安心なまちづくり」では、令和2年度から実証実験を進めておりました「デマンドタクシー」について、7月から本格運行を開始いたしました。デマンドタクシーについては、全国的には苦戦しているケースもあると聞いておりますが、本町のデマンドタクシーは大変好評であり、タクシー車両が不足するといった新たな課題が浮上してくるほど、多くの皆様に御利用いただいております。
また、犯罪や交通事故などから子どもたちを守るため、「通学路における防犯灯の設置」を進めてまいりました。子どもたちが安心して通学できるよう、引き続き計画的に設置してまいります。

その他にも、町民の皆様の福祉向上のため、様々な事業を実施してまいりました。令和5年度につきましても、1期目から積み上げてきた「想い」を引き継ぎつつ、東郷町の新たなステージを拓くため、職員とともに課題の解決に取り組み、目標の達成に向けて様々な施策を推進してまいります。

令和5年度当初予算案

それでは、令和5年度当初予算案の概要につきまして、御説明申し上げます。
令和5年度の一般会計予算案の規模は、152億5,140万円となり、令和4年度当初の骨格予算と比較いたしまして、19億7,340万円の増額、肉付け後の実質的な令和4年度予算と比較いたしますと、15億9,646万円の増額となってございます。増額となった主な要因は、扶助費の伸びや光熱費高騰などの影響による経常的な経費の増加であり、光熱費だけでも令和4年度と比較して2.6倍の約3億7,500万円を計上しております。

歳入では、町税が70億6,843万円、歳入総額の46.3%であり、個人町民税や法人町民税などの増額を見込んでおります。

地方交付税のうち普通交付税につきましては、基準財政需要額の増加を見込み、9億2,281万円を計上し、令和4年度と比較いたしまして1億3,544万円の増額でございます。しかしながら、実質的な地方交付税の一部とされております臨時財政対策債は、国の財源不足等から、1億200万円を見込み、令和4年度と比較して3億4,300万円の減額としております。普通交付税と臨時財政対策債を合わせますと、令和4年度と比較いたしまして、2億756万円の減額としております。

特別会計については、東郷町国民健康保険特別会計を始めとした、4つの特別会計の合計額が69億552万円、令和4年度と比較いたしまして9,912万円の増額であります。

企業会計につきましては、下水道事業会計が11億9,081万円で、一般会計、特別会計、企業会計を合わせた予算総額は233億4,773万円となり、令和4年度と比較いたしまして20億2,429万円、率にして9.5%の増額でございます。

主要事業の説明

次に、令和5年度に実施する主要事業につきまして、第6次東郷町総合計画に掲げる6つの基本目標に沿って御説明申し上げます。

誰もが元気に暮らせるまち

基本目標の1つ目は、「誰もが元気に暮らせるまち」でございます。

全ての町民の皆様が、元気にそして安心して暮らすことができるよう、医療費助成の拡充や、高齢者の生きがいづくりに重点を置いた施策を展開いたします。

子育て世帯を対象とした施策といたしましては、子どもたちが健やかに育ち、そして安心して勉学に励むことができる環境を守りたいという想いから、全国トップ水準の医療費助成をスタートさせます。本町では、18歳までのお子さんを対象に、「子ども医療費助成」を実施しておりますが、従来の制度では対象とならなかった「婚姻者及び社会人」を新たに対象者に加え、さらに、大学生等の入院医療費を助成する「学生医療費助成」を開始いたします。学生医療費助成につきましては、転出した学生であっても、本町に住所を有する保護者等から扶養を受けている方であれば対象としております。本町で生まれ育った子どもたちの希望ある未来を、保護者の皆様と一緒に支えていきたいと思います。

高齢者の皆様を対象とした施策といたしましては、この3月で役割を終える和合保育園の跡地を活用して、老人クラブの新たな活動拠点を整備いたします。さらに、今年度2校でプレ開校した「とうごう学び舎」を、令和5年度からは、町内の全ての小学校区で開校することで、高齢者の皆様の社会参加と生きがいづくりをサポートしてまいります。

全ての世代を対象とした施策といたしましては、「がん患者アピアランスケア支援事業」として、がん治療による外見の変化を補う医療用補装具を購入するための費用を助成し、がんと闘う方々の経済的な負担を軽減いたします。

子どもがのびのび育つまち

基本目標の2つ目は、「子どもがのびのび育つまち」でございます。

まちの宝である子どもたちが健やかに育つためには、保育・教育環境の充実はもちろん、保護者を始めとした子どもたちの成長を支える方々の環境整備も重要であると考えております。

まず、老朽化の進む南部保育園を民営化するため、小中学校や児童館の周辺に認定こども園を誘致し、子育て支援施設の集約と特色ある幼児教育・保育を提供できる体制をより充実させてまいります。

町立の保育園では、保護者への連絡や園児の登降園確認などを、アプリにより実施することができる「保育業務支援システム」を導入し、保護者の皆様の利便性向上と、保育園と保護者のコミュニケーションの充実を図ってまいります。

児童生徒に対する施策といたしましては、児童一人一人に、きめ細やかな指導を行うために、令和5年度は小学6年生を対象に35人学級が実現できる環境を整備してまいります。

また、兼ねてより推進しておりました英語教育を、さらに強化するため、「小学校英語活動事業」を開始し、授業だけでなく学校生活の様々な場面で英語に触れられる環境を整え、町立保育園で実施している英語活動事業の効果を最大限に生かした切れ目のない教育を実施してまいります。

中学校では、学習習慣の定着と学力向上を図るため、学習塾等民間のノウハウを活用した学力支援事業を実施してまいります。

さらに、「私立高等学校等授業料補助制度」を見直し、支給額を10,000円から15,000円に増額することで、環境づくりだけでなく、子どもたちを支える保護者の皆様の経済的な負担も軽減してまいります。

また、まちの将来を担う子どもたちに、幼い頃から本に興味を持ち、想像力や情緒を豊かに育んでいただくため、大型絵本や飛び出す絵本など多種多様な「しかけ絵本」を充実させます。この新たなコンテンツにより、他にはない、本町ならではの絵本の世界を構築し、特色ある絵本のあふれるまちとして発信してまいります。

安全・安心で、自然と共生するまち

基本目標の3つ目は、「安全・安心で、自然と共生するまち」でございます。
町民の皆様の安全や、緑豊かな東郷町の自然環境を守るための事業を推進してまいります。

新型コロナウイルス感染症の長期化や物価高騰等により、町民の皆様の生活に不安や経済的な影響が生じています。こうした不安などを少しでも取り除くため、本町においては、全ての町民の皆様に商品券を配布する「TOGOエールチケット」を、これまで2度にわたって実施し、町民の皆様の生活を応援するとともに、町内経済の活性化を図ってまいりました。令和5年度につきましても引き続き、お一人当たり5,000円の商品券を全ての町民の皆様に配布し、町民の皆様の生活支援と事業者様の事業継続支援を切れ目なく実施してまいります。是非、このエールチケットを御利用いただき、町全体で実施する経済対策に御理解と御協力をよろしくお願いいたします。

次に、環境対策といたしまして、家庭で不要となったプラスチックの計画収集を7月より開始いたします。週に1回の計画収集を実施することで、町民の皆様の利便性を向上させるだけでなく、リサイクルの推進、尾三衛生組合へのごみ搬入量の削減が見込まれます。

また、カーボンニュートラルへの取組として、事業者等を対象とした電気自動車の充電設備の設置費用の一部を補助する「充電設備導入促進事業」を開始いたします。

さらに、カーボンニュートラルや先進的技術革新に資する設備を導入した本町において事業を行う事業者の皆様を支援するための条例案を、今議会に提案させていただいているところでございます。

カーボンニュートラルに関連する事業を強化することにより、脱炭素社会の実現に寄与するだけでなく、本町の事業者様のビジネスを後押しし、町外の事業者様にとっても魅力のある「選ばれるまち」を目指してまいります。

また、東郷町の緑豊かな自然環境の中で、ボール遊びやグラウンドゴルフができる「上鏡田公園」を整備し、あらゆる世代が交流できる場を提供してまいります。既存の公園につきましても、公園施設等長寿命化計画を策定し、経済的かつ効率的な修繕を進め、安全に楽しく遊べる場を提供してまいります。

快適に暮らせるまち

基本目標の4つ目は、「快適に暮らせるまち」でございます。

町民の皆様が快適に暮らす上で欠かすことのできない、公共交通の充実及びインフラ整備に重点をおいた事業を進めてまいります。

公共交通といたしましては、令和2年度に策定した「東郷町地域公共交通計画」の、中間評価を実施し、現在の利用実態などを把握した上で、計画の修正等を行い、巡回バスやデマンドタクシーを始めとする公共交通のさらなる利便性向上に努めてまいります。

さらに、インフラ整備では、児童生徒の通学路となっている、新池・春木台線の歩道整備を進め道路利用者の安全性を確保するとともに、諸輪地区の渋滞緩和に向け、木戸畑百々線における八王子前交差点の道路改良を実施してまいります。さらに、都市計画道路日進三好線の築造を見据え、諸輪地区内の地籍調査を実施してまいります。

また、下水道関連といたしまして、平成30年度に策定いたしましたストックマネジメント計画の見直しを行い、汚水中継ポンプ場をはじめとする既存のインフラ施設の維持及び健全な事業運営に努めてまいります。

産業と交流が盛んなまち

基本目標の5つ目は、「産業と交流が盛んなまち」でございます。
持続可能な産業を実現するため、農業・商工業の振興に重点をおいた事業を進めてまいります。

農業振興といたしましては、令和4年度末に策定する有機農業実施計画によって行うオーガニックビレッジ宣言に基づき、引き続き各種の農業者支援や消費者理解への取組を実施してまいります。また、より安全安心なこだわりの給食を実現するため、早期に給食に提供するお米を全て有機米とすることを目指し、令和5年度は、有機稲作の技術講習会の開催や有機への転換に係る経費の補助を実施してまいります。

商工業振興といたしましては、町内中小企業の経営支援等に必要不可欠な東郷町商工会館について、建物の安全性を確認するための耐震診断費を補助してまいります。

また、東郷町の素晴らしい製品・地場産品を全国にPRするため、シティープロモーションの一層の強化を図り、ふるさと納税返礼品の仕組みを活用した町内事業者・生産者の皆様の販路拡大をサポートしてまいります。

みんなでつくるまち

基本目標の6つ目は、「みんなでつくるまち」でございます。

2年後の令和7年度には、町制施行55 周年を迎えます。振り返れば、町制50周年を祝う数々の記念事業については、多くがコロナの影響から実施を断念いたしましたが、同時に、その後新しい時代への一歩となるイベントの実現をお約束してまいりました。そこで、この55年を契機に、まちづくりの主役である町民の皆様が、東郷町のプライドを再確認することができる機会を提供するとともに、子どもから大人まで、積極的にまちづくりに参画できるような機会を創出してまいります。

町制施行55 周年に向けた取組といたしましては、町の中心部、現在の傍示本公民館の周辺が城跡である傍示本城が、令和6年度に築城700年を迎えるとされていることから、令和5年度は、歴史イベントやこどもから大人まで広く長く継がれるようなコンテンツ制作やプロモートに着手し、これまでの東郷の歴史を振り返ることのできる事業に取り組んでまいります。ちょうどこの1月よりスタートしましたNHK大河の主役であります徳川家康の天下取りのキーマンとも深い関わりがあるこの傍示本城を、早い段階から発信し盛り上げていきたいと考えております。

また、子どもたちが、素直な「想い」や「疑問」を、町に提案・質問できる場として、令和元年度から「東郷町子ども議会」を開催しております。この子ども議会は、子どもたちが「東郷町の未来」を考える場を提供するだけでなく、行政としても、まちの宝である子どもたちの率直な意見を聞くことができる貴重な場であると考えております。実際に、令和4年度に御提案いただきました「学習室の整備」につきましては、その実現に向け検討を重ね、環境整備に必要な費用を令和5年度当初予算に計上させていただきました。子ども議会は、まさに、「みんなでつくるまち」を体現した事業でございますので、今後も回を重ね、さらに多くの子どもたちの参加を増やしてまいりたいと思っております。

さらに、町が実施する取組を、町民の皆様にしっかりと、そしてわかりやすくお伝えし、また、町外の方々にもまちの魅力を効果的に発信できるよう、毎月1回配布しております広報紙を民間のノウハウを活かしながら作成してまいります。

むすび

以上、令和5年度の当初予算及び主要事業につきまして、概要を申し上げました。

行政運営においては、「迅速さ」が必要不可欠であると考えております。

「迅速かつ着実に、そしてタイミングを見計らった施策の展開」、これこそが効果を最大限に発揮するポイントであると思います。

1期目の任期中は、必要な施策を適切なタイミングで迅速に実施する一方、東郷町の将来を見据え、必要な布石を打ち、種まきを着実に進めてまいりました。2期目においても、引き続き東郷町の新しいステージに向けて、こうした取組をより具体的に進めて行くとともに、様々な施策・事業が一つ一つ緊密に繋がった有機的なまちづくりを目指し、令和5年度当初予算を編成いたしました。

最後に、まちを豊かに醸成していくために、町民の皆様にお願いしたいことがございます。

コロナ禍で、孤独を感じている方が4割もいるという政府の調査結果があります。

また、同居していない家族や友人と直接会って話す機会が、月1回程度、月1回未満、全くないとお答えになられた方の割合も4割となっており、じっくり腰を据えて話をする機会が少なくなってきております。

話をするのが難しければ、1日にたった一人でいいのであいさつをする。あいさつが難しければ、すれ違う人に会釈をする。

小さなことに思われるかもしれませんが、一人一人の小さな努力が、やがて繋がりあい、そしてまちを豊かにするものと考えております。

新型コロナウイルス感染症が転換期を迎えようとしている今、町民の皆様におかれては、今一度、「人と人とのつながり」を意識していただき、いつまでも住み続けたいまち、笑顔あふれるまちの実現に向け、皆様とともにまちづくりを進めてまいりたいと存じます。

私を含め職員においても、一人一人が中長期的なまちづくりのビジョンを共有し、一丸となって全力を尽くしてまいる所存でございます。

町民の皆様並びに議員各位の、より一層の御理解と御支援を賜りますよう、心からお願い申し上げ、私の施政方針とさせていただきます。

この記事に関するお問い合わせ先

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