幼児期の運動促進事業(運動あそび)

更新日:2022年03月01日

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東郷町における幼児期の運動促進

東郷町の保育園では、子どもが幼児期から運動習慣が身につくように体を動かす機会を確保し、多様な動きを経験できる「運動あそび」を行っています。

町の事業として

東郷町では、子どもから高齢者までの健康づくりの取組で、「子どもが健康で元気になれば、50年60年先に東郷町が元気に活力のある町になる」という構想を掲げ、町が100%出資をしたTIS(東郷町施設サービス株式会社)の指導の下、幼児から高齢者まで東郷町全体で健康づくりの指導を行っています。

保育園での運動指導は、TISスタッフに依頼して、平成23年度より保育士向けの研修を、平成24年度からは年中・年長児を対象に運動あそび指導を行っています。 幼児期の運動には、体力・運動面の効用だけでなく、生活習慣や情緒・感情面、コミュニケーション能力、さらには認知的能力の発達に効果が期待されます。今後も、子どもたちの基礎体力作りや運動能力向上に努め、町民全体の健康づくりを進め、どこよりも明るい未来のある健康都市を目指します。

国の事業として

平成24年3月、文部科学省にて「幼児期運動指針」が策定されました。本指針は、幼児が楽しく体を動かすことについて、次の3点を重要としています。

  1. 多様な動きが経験できるように様々な遊びを取り入れること。
  2. 楽しく体を動かす時間を確保すること。
  3. 発達の特性に応じた遊びを提供すること。

本町においても、幼児期の子どもに対し心身ともに健康で友だちとも仲良くでき、様々な事にチャレンジできる「運動好きな子どもを育む」という願いを持ち、平成24年から町立保育園で運動あそびの指導を始めました。平成24年11月、文部科学省「幼児期の運動促進に関する普及啓発事業」を受託して、指針を活用しながら幼児期の運動促進を実施、平成25年度にも同事業を受託、平成26年度、27年度には「幼児期の運動に関する指導参考資料作成事業」を受託し、継続的に取り組んできました。

産官学の連携協力

順天堂大学スポーツ健康科学部とTISと町との連携により、幼児期の運動促進をはじめ、町民の健康づくり、健康寿命の延伸に取り組んでいます。

なぜ「幼児期の運動」か

  1. 子どもの体力低下
  • 子どもの身体を動かす時間が激減「1日60分未満が普通」の衝撃
  • 3間(時間、空間、仲間:サンマ)確保が困難
  1. 発育発達期における身体活動
  • 適切な時期に適切な刺激
  • 子ども時代に習慣づけ
  1. 子どもの必要な運動量
  • 様々な遊びを中心に1日60分以上楽しく身体を動かすこと(文部科学省「幼児期運動指針」より)
  • 「しなければならない」からの脱却
  1. 子どもにとって
  • 「しかけ・場」の提供
  • 「楽しい」「続けたい」

東郷町での取り組むきっかけ

取り組むきっかけ
こども
  • あそび場の減少など身体を動かさない環境
  • 身体の柔軟性の低下や骨折等不慮の大怪我の増加
保育園
  • 幼児に対する運動活動への適切な取り組ませ方や幇助の知識不足
  • 専門的な指導者からの指導機会の不足
東郷町
  • 健康寿命の延伸

幼児期の運動は「あそび」から得る→保育園における運動あそびの実施

幼児期の運動促進

幼児運動指導

幼児運動指導
概要 運動好きな子どもを育むことを目的に、「心地よさ」「多様な動きづくり」「コミュニケーション」に重点を置いた幼児向けの運動指導。
回数 各園年長クラス、年中クラス 隔月1回
時間 1回45分
運動指導1
運動指導2

親子運動あそび

親子運動あそび
概要 保護者と園とが共通理解を持ち、子どもや家族の運動習慣が身につくよう、家庭でできる動きを楽しく紹介する。
回数 各園年1回
時間 1回50分
親子運動あそび1
親子運動あそび2

保育士研修

保育士研修
概要 初任者研修は、各園初任者を2回に分けて参加し、「運動好きな子どもを育む」指導の基本を学ぶ。幼児期の運動促進に関する正しい知識と技能を習得し、自ら実践し、園内へ伝達できるよう学ぶ。保育士研修は、各園4回に分けて参加し、「幼児期に養っておきたい運動機能」を学ぶ。各園の取り組みの発表。
回数 全体で年6回
時間 1回120分
保育士研修1
保育士研修2

運動能力測定

運動能力測定
概要 子どもの基本的な動作の獲得状況の測定。具体的には、走・跳・投の測定(タイム、記録計測、ビデオ撮影)、動作パターン評価。
回数 各園年長クラス、年中クラス 年1回

筋厚測定

子どもの皮膚の脂肪の様子、筋肉の厚み(筋肉の発達の様子)筋の厚みを超音波で図る。
平成28年度より、公立園(年少・中・長)で実施。

その他

アンケート(保護者、園児、保育士)、日常身体活動調査(歩数計)

成果

運動能力向上(平成27年度実践プログラムの検証より)

東郷町立保育園出身児童と他園出身児童(小学校1年生)の比較
  平均 性別 50m走 立ち幅跳び ソフトボール投げ
人数 cm 人数 m 人数
町立保育園
出身児童
11.72 20 119.50 20 8.95 21
11.73 22 113.29 21 5.86 22
他園出身児童 11.84 15 117.50 14 7.20 15
12.14 24 107.73 26 4.38 26

「幼児期運動指導参考資料」が作成され、全国に普及されています。

子どもたちの変化

  • 怪我の変化や病気の減少
  • 日常の活動面の変化
  • 積極性や集中力の高まり
  • 運動好き
  • 配慮が必要な児童への効果

保育士の指導技術の向上や保育への影響

  • 指導力・取り組ませ方の向上
  • 幇助(ほうじょ)技術の習得
  • 自主性の高まり
  • 言葉かけ・褒め方などの上達

保護者の意識変容等

  • 児童と共に運動
  • 運動会の種目に「親だけ」競技を希望
  • 園外での運動活動の報告増
  • 運動系習い事の増

発展的な取組・小学生への展開

保育士の自主的活動

「アートヨガ・リズム遊びグループ」、「伝承遊び・集団遊びグループ」、「運動あそびグループ」、「わらべうたグループ」の4グループを編成し、月1回等の勉強会を開催。

乳児・3歳未満児・児童発達支援事業所ハーモニーへの応用

平成26年度から、発育発達段階に沿った運動に工夫し実践。

保育士主体の運動指導の試行

平成27年度から、これまでの経験と受講した研修などから、TISの支援を受けながらも保育士を主にした運動あそびを試行。

小学校への展開

平成27年度から、継続的に取り組めるよう小学校へ展開。

この記事に関するお問い合わせ先

こども保育課
愛知県愛知郡東郷町大字春木字西羽根穴2225番地4 イーストプラザいこまい館内
電話番号:0561-56-0737
ファックス:0561-37-5823

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