伝染性紅斑(リンゴ病)の警報発令中です
伝染性紅斑は、ヒトパルボウイルスB19による感染症です。小児を中心にみられる流行性の発しん性の病気です。両頬がリンゴのように赤くなることから、「リンゴ病」と呼ばれることもあります。
愛知県感染症発生動向調査による2025年第27週(6月30日から7月6日まで)における県内の定点医療機関当たりの伝染性紅斑の報告数がは2.23でした。
これは、国が定める警報の指標である「2」を上回っていることから、2025年7月10日、県内に「伝染性紅斑警報」が発令されました。
つきましては、手洗い等による予防を心がけ、感染を防ぎましょう。
なお、この警報は定点医療機関当たりの報告数が「1」未満になるまで継続します。
注)定点医療機関当たりの報告数:101医療機関からの一週間の総報告数÷101
詳しくは、愛知県のホームページをご確認ください。
主な症状
約10~20日の潜伏期間の後、微熱やかぜの症状などがみられ、その後、両頬に蝶の羽のような境界鮮明な赤い発しん(紅斑)が現れます。続いて、体や手・足に網目状やレース状の発しんが広がりますが、これらの発しんは1週間程度で消失します。
中には長引いたり、一度消えた発しんが短期間のうちに再び出現したりすることがあります。成人では関節痛を伴う関節炎や頭痛などの症状が出ることもありますが、ほとんどは合併症を起こすことなく自然に回復します。
妊娠中又は妊娠の可能性がある方へ
これまで伝染性紅斑に感染したことのない女性が妊娠中に感染した場合、胎児にも感染し、胎児水腫などの重篤な状態や、流産のリスクとなる可能性があります。熱や倦怠感が出現した後に発疹が出るなど、伝染性紅斑を疑う症状がある場合は、医療機関に相談しましょう。また、感染しても症状がない場合(不顕性感染)もあるため、周囲に伝染性紅斑の人がいる場合は、妊婦健診の際に、医師に伝えてください。
伝染性紅斑の家族がいる場合や、流行している地域で多くの小児と接する機会がある職業の方などは特に注意が必要です。かぜ症状がある方との接触をできる限り避け、手洗いやマスクの着用などの基本的な感染予防を行ってください。
感染経路
感染した人の咳のしぶき(飛まつ)を吸い込むことによる感染(飛まつ感染)や、感染者と接触したりすることによる感染(接触感染)が知られています。
予防と対策
伝染性紅斑を予防するワクチンや薬はありません
前述の通り、紅斑が出ている時期にはほとんど感染力がないため、かぜ症状のある人はこまめな手洗いや、せきやくしゃみをする時には口と鼻をハンカチ等でおおうなどの「咳エチケット」を心がけることが大切です。
更新日:2025年07月11日